W・フルブライトの二つの顔
―― 国際主義者とレイシスト
The Fulbright Paradox Race and the Road to a New American Internationalism
2021年8月号掲載論文
優れた外交ビジョンの持ち主だったフルブライトは、一方で「レイシスト」だった。2021年4月、彼の母校であるアーカンソー大学は学部名称からフルブライトの名前を外し、彼の銅像をキャンパスからなくすことを決めた。国際主義者でレイシストというスタイル上の矛盾は、実際にはアメリカ人にとっての盲点だった。「外国にはオープンマインドで接し、国内的には偏見をもつ」という組み合わせは、彼特有のものではなかった。逆に言えば、アメリカの国際主義を再生するには、国際主義路線と国内問題を誠実に解決していく立場を一体化させる必要がある。「人種的に秩序化された国内政治がその国の世界的な役割にどのようなコストを強いるか」を、アメリカ人は先ず認識する必要がある。
- 人種差別と国際政治
- 国際主義と公民権の衝突
- 南部の外交的影響力
- 国内政治と国際政治の間
- 新しい国際主義を
- フルブライトの二つの顔
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